今回は潮干狩りでよく見かける茶色のカタツムリのような巻貝「ツメタガイ」を捕獲して食べてみました。
ツメタガイは漁師を困らせる厄介者の貝で、アサリやハマグリ等の二枚貝を捕食してしまいます。
そのため、この貝を見かけたら是非駆除をお願いします。
この記事では、ツメタガイの生態・食べ方について紹介します。
ツメタガイとは
肉食性の巻貝
日本の海岸に広く生息していて、砂地にいます。
主にアサリやハマグリ等の二枚貝を捕食しています。
茹でると独特に匂いがするため中部の方ではウンネとも呼ばれています。
このように海岸に落ちている貝殻を見ると穴が空いている事がありますが、これはツメタガイに捕食された貝の貝殻です。
ツメタガイの種類は主に以下の3種です。
ツメタガイの種類
ツメタガイ
茶色で表面がつるっとした見た目が特徴です。
大きさは大きいものではゴルフボールくらいの大きさになります。
脚がよく広がる貝で通常は脚を吸盤のように伸ばした状態で見つかる事が多いです。
ツメタガイに毒はありませんので触っても全く問題ありません。
ハナツメタ
見た目はツメタガイとほぼ同一ですが、ツメタガイよりも大きくなりません。
こちらは関西方面で良く生息しています。
味はツメタガイの中では一番良く、普通に食用の巻貝として扱われています。
サキグロタマツメタ
ツメタガイとは貝殻の形状が異なり、タニシなどの巻貝のように先が少し伸びています。
そして先端部分が黒いためこのような名前が付けられています。
こちらは関東圏内にも広く分布していてツメタガイと混獲されます。
味はツメタガイと特に差はありません。
ツメタガイの卵
こちらは砂茶碗と呼ばれるもので、ツメタガイの卵です。
この砂茶碗1つで数千~数万の卵が固まっているのでこれを放置してしまうとツメタガイが大量に生まれ、アサリが捕食されてしまうという事態が発生します。
なので、ツメタガイと一緒にこの砂茶碗も駆除をしましょう。
ツメタガイの卵を砂で固めたものなので食用にはなりませんが、陸に揚げておく事で砂に帰ります。
ツメタガイの仕込み
砂抜きは不要だがしっかり洗う
巻貝全般に言える事ですが、ツメタガイはアサリやハマグリのような二枚貝とは違い砂を噛む貝ではないので砂抜きは不要です。
ただ、貝の表面や蓋の付近には砂や汚れが多くついていますので、強めに洗いましょう。
沸騰したお湯で5分ほど茹でる
ツメタガイは火を入れすぎると固くなるのと、中身を取り出す時に肝の部分が切れるので半生くらいに茹でます。
茹でた時に強烈な匂いがすると聞きましたが、そこまで変な匂いはしません。
鮮度や取れた場所にもよるのかもしれません。
中身を取り出す
茹で終わったらツメタガイを取り出して粗熱を取ります。
すぐに取り出したい時は水や氷水で冷やしても大丈夫です。
そして貝の蓋の部分と足の部分を引っ張ると簡単に中身が出てきます。
他の貝では中々ないくらい肝まで綺麗に取れます。
茹で過ぎないのがポイントです。
切り分けてひたすら塩もみ
肝と足の部分で切り分けます。
肝と足の間にラグビーボールのような形をした内臓がくっついていますので、気になる方はそれも外します。
そして塩をかけてぬめりがなくなるまで徹底的に揉みます。
ツメタガイの足はヒダのようになっていてそのヒダの隙間に砂や汚れが溜まっているので綺麗にします。
中身を取り出した後でもこれだけ砂が出てくるのでここは丁寧にやりましょう。
ツメタガイの調理、実食
食べやすい大きさにカット
今回はエスカルゴバター焼きにするために薄めにカットします。
丸々だと固いので薄めに切る事でしっかり噛み切れる固さになります。
エスカルゴバターを仕込む
バターに刻んだニンニク・イタリアンパセリ・玉ねぎ・塩を少々入れて混ぜ合わせます。
今回はバター75g・玉ねぎ1/4・ニンニク1かけ・イタリアンパセリ3g・塩少々で作りました。
弱火で火入れ
エスカルゴバターに入っているニンニクが焦げないように、弱めの火でツメタガイと絡めていきます。
途中スプーン等でバターをツメタガイにかけながら作ると良いでしょう。
完成&実食
パセリとニンニクの香りが良い感じです。
ツメタガイは強めの歯ごたえがあり、クセは全くなく美味しいです。
まんまサイゼリヤで出てくるエスカルゴのような出来栄えです。
これは焼いたバケット等に乗せて食べても美味しいと思います。
総評
今回はツメタガイを捕まえて調理してみました。
アサリやハマグリにとっては厄介な存在で見た目も少々気持ち悪い貝ではありますが、しっかりと調理をすれば美味しく食べられる貝なので是非調理してみてはいかがでしょうか。
今度は別の調理方法も試してみたいと思います!
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